1970年代初頭、当時、MARUKINは先代により、ドイツの刃物を中心とした家庭用品店であった。時はウェストコーストブームの到来 で、“made in U.S.A”というアメリカのカタログ雑誌が発売された。粗雑な紙にモノクロの印刷で、決して見やすい雑誌では無かったが、そこには目を見張るほどの大量 な道具が満載されており、アメリカの道具文化に強いカルチャーショックを受けた。早く実物をこの目で見てみたい衝動に駆られ、大学3年の時に親に無理を 言って西海岸へ向かった。
サンフランシスコの外れにある銃砲店に最新のナイフ(今で言うカスタムナイフ)があることを突き止め尋ねることに、細長い店舗の壁面には様々な銃が陳列され、対面には見たこともない美しいナイフが飾られていた。店主に声をかけ、幾つかを見せてもらった際に、ナイフの完成度と共に、シース(革 製のケース)の素晴らしさに感激した。
日本に帰り、買ってきた物を親に見せると、そんなに高いものが売れるわけがないだろうと鼻で笑われた。それもそのはず量産メーカーの物で も、日本製の10倍はする高級品である。諦めるわけにもいかず、“シューティングライフ”や“山と渓谷”といった当時のアウトドア雑誌に記事を書き、何とか日本にナイフや革製品の魅力を伝えたいと入店3年にして、日本で最初のナイフと革の専門店にリニューアルした。
革においては、原宿のgoro'sのハンティングバッグや小物を通じて、ハードレザーの魅力を紹介し、その後は、goro'sから出た職人 たちと、オリジナルブランドであるレッドクラウド/ワイルドフォレストといった商品の企画に注力し、グレードの高いハードレザー製品を追い求める日々が続くこととなる。
1990年代には、ナイフシースの第一人者であった中川氏とフリーダムブランドで丁寧な手作りの製品を数多く世にリリースしてきました。
2000年代に入り、中川氏の精神を引き継いだ中村氏と共に開発したSEFIAは、細部に拘り、ユーザーの満足度を最大限に追い求めた自信作です。
最近では、ヨーロッパのトップブランドと同種の革を用い、手作りに拘った川井氏と共にフォーマルアイテムの商品開発を進めています。
残念なことに、手作り故に量産できず、お客様には出来上がるまでお待ちいただく事となりますが、どこを探しても手に入らない逸品につきご容赦いただきたいと思います。
今回OPENさせて頂いたWEBショップにおいては、量産品の中でも当店の目に適った商品を次々とご紹介し、専門的な革のセレクトショップとしても走り続ける所存であります。
長年培った革に対する拘りを、是非とも実際に手にして頂き、多くの方に楽しんでいただけたら幸いと存じます。
1951年 | 東京生まれ。 |
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1974年 | 明治学院大学卒。 |
1974年 | 1949年創業の、当時、包丁やハサミといった一般的な輸入刃物店であったMARUKINを継承。 |
1975年 | 日本で最初のナイフと革の専門店としてリニューアル。 |
1975年 | バイカーのカリスマ goro'sの故 高橋吾郎氏と出会い、サドルレザーのBAGを取り扱うこととなる。 |
1980年 | 元goro'sの職人であった竹内正志と商品開発し協力しRED CLOUDブランドとして、サドルおよびオイルドレザーの製品を普及させる。 |
1983年 | 青山HERZの創業者 近藤晃理氏と出会い、HERZの製品の取り扱いを開始。 |
1985年 | 元goro'sの職人であった、当時ナイフシース作りの第一人者であった故 中川光明氏と共に、主に革小物を開発、フリーダムブランドの取り扱いを開始する。 |
1993年 | 三光商会 山内健三氏と共に、オリジナル革ブランドWILD FORESTを創設する。 |
1997年 | 中村英二氏のカスタムメイドシースやワンオフ手縫いの革小物の取り扱いを開始する。 |
2005年 | 中村英二氏に革小物のデザインと、味付けノウハウを伝授し、彼のブランドであるSEFIAの品質をより多くの方に長く楽しんでいただくため、スタンダードなラインナップの試作を繰り返し、一つ一つ確立することに着手。 |
2010年 | SEFIAの商品が30アイテム500種におよぶバリエーションを達成できたことで、セミオーダースタイルのWEBショップの開設に取り掛かる。 |
2010年 | 秋、セミオーダーシステムを中心とした革製品のWEB販売を開始。 |