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人体のさまざまな器官の中で、皮膚ほどいろいろな機能を兼ね備えている器官はありません。それらの機能が完全であることが美しい皮膚の条件になります。
打撲や圧迫に対して、真皮の結合繊維・皮下脂肪・血液・リンパ管などがスプリングの働きをすることによって、体内を守っています。
皮脂膜や角質層、顆粒層が化学物質(水・油・酸・アルカリなど)の浸透を防いでいます。
角質層が紫外線を屈折・反射し、また、メラニン色素が紫外線を吸収することによって、炎症などから守っています。
皮脂膜が弱酸性に保たれていることによって、皮膚表面での最近の繁殖を防いでいます。
皮膚から外部へ分泌されるものには、皮脂腺からの皮脂と汗腺からの汗があります。
皮脂と汗は、皮膚表面にとどまって皮脂膜を作り皮膚を保護するのと同時に、体内の老廃物を排泄しきれいにしています。
気温や体の活動状態に合わせ、真皮にある毛細血管の収縮・拡張や発汗することによって、体外にすてる熱を加減し体温を一定に保っています。
また、角質層や皮下組織が熱の不導体となり、外界と体内の間で熱が伝わるのを防いでいます。
皮脂は、弱酸性のため表皮のアルカリを中和します。また、表皮内部にも酸やアルカリを中和する機能があります。
油に溶ける物質は、皮脂にも溶けて、毛のうを通して真皮や血管内に吸収されます。
皮膚は、真皮にまで神経があるため、触覚・温覚・冷覚・圧覚・痛覚などの知覚を感じます。
皮膚は、外界より酸素をとりこんで、二酸化炭素を出しています。これを皮膚組織呼吸といい、肺呼吸の約1%にあたる量のガス交換を行なっています。
皮膚そのものが、人種・性別・個人の区別などを表わす他に、皮膚の下にある顔面筋肉の働きや、目・唇などの動きで喜怒哀楽を表現しています。